世界への降伏・降参「 スレンダー 」について・ヨガ哲学講座
ほんじつは、ヨガ哲学講座 「 SURENNDER スレンダー 」についてです。
世界への降伏・降参
「 スレンダー 」とは降伏・降参のこと。
いったいなにに降伏・降参するのかというと、この世界 = The world に対してです。
この世界へ「 降伏・降参する 」とは、いったいどういう意味なのかについて、何回かにわけてお話していきます。
今回は、降参する相手、
この世界 = プラクリティ について、理解していただきたいなとおもいます。
ヨガ哲学 ( かんがえかた )
「 ヨガ哲学 」とは、「 ヨガの考えかた 」です。
難しく考えず、
ヨガではそういう考えかたをするんだね、
というくらいの気分で読み進めてみてください。
ヨガ哲学では「 二元論・にげんろん 」と「 一元論・いちげんろん 」をとる流派があります。
今回は、パタンジャリのヨガスートラが支持している「 二元論・にげんろん 」でお話を進めていきます。
プラクリティ過去の記事
二元論 ( デュアリズム )
プルシャ・プラクリティ
二元論というのはこの世を「 プルシャ 」と「 プラクリティ 」に分けて捉えます。
- プルシャ
:真我・ほんとうの自分・意識
( 純粋意識・ピュアコンシャスネス ) - プラクリティ
:自然・自性・この世界すべて
「 二元論 」では
プルシャのみが唯一1つ存在するもの ( 見るもの ) 、
そのほかのすべては、実在しないプラクリティ ( 見られるもの ) と考えますが、
ここが「 ヨガ哲学 」の理解で最初にむずかしいと感じるところです。
唯一1つのプルシャ以外は、すべてプラクリティ。
上の図の通り、わたしたちの視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚 ( 五感 )も
真の自分 ( = プルシャ ) とはまったく違う存在のプラクリティです!
5つの感覚器官に関する過去の記事
原点回帰としてのヨガ
複雑に展開しきったこの世界を生きるわたしたちにとって、
ヨガや瞑想というのは、「 ほんとうの自分 」を感じ・探す作業なのです。
プラクリティ = この世界
プラクリティ・この世界 の役割
もともと1つのプルシャだったわたしたちが、「 プラクリティ 」に複雑に展開し、また唯一1つのプルシャへ戻ろうとするのであれば、
「 プラクリティ 」の意味とは何なのでしょうか??
実はプラクリティには「 プルシャへ経験を与える 」という大事な役割があります。
図の「 工場 」では、様々な工程をへて、イス ( 生活に役立つ製品 ) が、原料から生成されています。
「 この世界 」に生まれたわたしたち ( 原料 ) は、様々な経験をへて、よりよい人間 ( この世界・人の役に立つ ) へと成長する。
世界とは、そのための舞台なのです。
ヨガスートラ・2章18節
- 見られるもの ( = プラクリティ ) が存在する目的は、見るもの ( = プルシャ ) に経験と解放 ( 解脱 ) を与えることである。
ここまでくると、少しヨガスートラ2章18節のメッセージが伝わるでしょうか。
もしそうであれば幸いです。
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ヨガ哲学講座・アプリ
こちらのヨガ哲学講座をよりわかりやすくまとめた動画が、アプリにあります。
今回の記事は
「 SURRENDER ① プルシャ・プラクリティ 」
の動画の補足です。