⑧八支則について – ヨガのゴール、悟り
ヨガのステップを1から8までのステージに分けた基本概念、
「八支則 / アシュタンガ」について。
第8回目のきょうは、ゴールである最終段階、
「 ヨガにおける悟りを開くとは 」についてです。
「 ヨガにおける悟りを開くとは 」についてです。
1回目 八支則の大枠を学ぶ。
私たちの心が、完全に対象物に吸収され、
2回目 ヤマ・ニヤマ ( 日常の行動や物事の考えかた )
3回目 アーサナ・プラーナヤーマ ( スタジオで行うポーズと呼吸 )
4回目 プラティヤハーラ ( 心と体をつなぐステップ )
5回目 ダーラナ ( 心を一か所にとどめる。)
5回目 ダーラナ ( 心を一か所にとどめる。)
6回目 補足
7回目 ディヤーナ = 瞑想
8回目 サマディー = 悟り ←本日
小難しく思える「 悟り 」について
みなさん、いきなり「 ヨガの目的は、悟りを開くこと 」と言われても
ピンとこないことと思います。
ですが、「 ヨガ 」をする私たちにとって、
八支則の8段階目「 悟り 」の概念が大事なものか、
いくつか海外のスタジオを例に挙げて説明します。
サンフランシスコにあるヨガスタジオ SATORI
■ MOKSHA / モクシャ = 解脱
■ JIVA MUKTI / ジヴァムクティ = 個我の解放
モクシャ・ジヴァムクティ、
どちらもインドの古語、サンスクリット語で「 解脱 」
どちらもインドの古語、サンスクリット語で「 解脱 」
悟りと同じ意味です。
✳︎ MUKTI ( ムクティ ) 解放、release
✳︎ MOKSHA ( モクシャ ) 自由、liveration
✳︎
JIVA ( ジヴァ ) バラバラの個✳︎ MUKTI ( ムクティ ) 解放、release
✳︎ MOKSHA ( モクシャ ) 自由、liveration
ロサンゼルスには、
GET LIBERATED!( 自由になろう!) がスタジオメッセージの
LIVERATION (自由) というスタジオもあります。
■ LIVERATION / リヴェレーション = 自由
何から自由になる?
「 悟り 」・「 解脱 」といった言葉、
聞いたことはあるし、
その意味も何となく知っているような気がしますが、
なかなかその真の意味を捉えにくい言葉です。
悟りを開く、解脱するといっても、
何も山奥にこもって何もかもを一切捨てる、
ということではありません。
社会的な存在である私たちにとって
イメージしやすい説明としては、
「 世の中にいても、囚われないでいる 」
ということ。
わたし達は皆、社会の役に立つことを求められますので、
世間から自由になると言っても、
簡単ではありませんが、
ヨガや瞑想を続けることで
そういった心の状態を作っていくことが可能です。
( サマディ / 悟りへ到達せずとも!)
サマディーってなに??
八支則の8段階目 サマディーでは、
7段階目の「 瞑想 」がさらに深まり、
瞑想している人は、
集中の対象物と同化し、一体を感じます。
個人をすっかり超越して、
神( 目に見えない力・宇宙意識 )との深いつながりや、
全てのものとは、お互いに関わり合っているということに気づき、
英語では、その状態を
エクスタシー / 恍惚状態 なんていう風にも表現されます。
例えば、サマディーは 日本語では三昧。
ゴルフ三昧、寿司三昧、ヨガ三昧。
1つのことに夢中になり、そればっかりになることを
三昧 ( ざんまい )と言いますね。
その対象物に非常に集中し、
自分 = 対象物、となっている状態。
その対象物が、ゴルフやお寿司ではなく
GOD ( 大いなる力・宇宙意識 )であるため
話は壮大なのです。
個々の波は消滅し、1つの大きな海に
忙しく考え続けるマインド(心)が、
最も静かで深い意識状態と1つになった状態がサマディー。
海の1つの波をイメージしてみてください。
それは、自分の心で発生する思考でもいいし、
個々の波が穏やかになり、
やがて、全く境界のない1つの海となった状態。
私たちの心が、完全に対象物に吸収され、
それと1つになることに成功した時、
私たちは、サマディーの状態にあるといいます。
サマディーは、
1つになる、同化する、という意味。
その状態では、
個人の名前、仕事、家族、経歴、社会的なポジション、免許の番号など、
すべては完全に関係なく、消えます。
サマディーの瞬間は、何も存在せず、
私たちと、集中するために選んだ対象物 ( GOD / 宇宙意識 )の間にも
区別するものはなく、
区別するものはなく、
それと混ざりあって、1つになる。
言葉での表現はとても難しいですが
このような感じです。
経験するのは、さらに難しいでしょう。
話が少しそれますが、
アシュタンガヨガ創始者
K. PATTABHI JOIS師のとても有名な言葉。
K. PATTABHI JOIS師のとても有名な言葉。
「 Practice, and all is coming 」
- 練習せよ。そして全てがやってくる –
- 練習せよ。そして全てがやってくる –
この ” all ” には、上で述べたようなことも含まれているのだろうと思います。
練習を続けるしかないわけです!
何段階もあるサマディー
またサマディーの中にも、何段階かあって、
最初のステージは、
魂の自由を体験できるのは一瞬程度。
さらに深まると、
時間や空間、場所を超えた、
完全で永遠な「 自由 」へと到達。
一度自由になると、再び束縛されることはないのだそう。
果てしないです。
自分はここまで目指していないよ、
という方も多いと思います。
ですが、せっかくヨガを続けられているなら、
ヨガのゴールは一体どこにあるのか、
何となくでも知っておいていただいても良いと思います。
普段の練習を続けるうちに、
この「 八支則 」の話に、ピンとくる日が来るかもしれません。
みなさんのこれからのヨガ人生。
いつか、何かのタイミングで思い出していただけることが
もしありましたら幸いです。