③ 言葉の整理( 心 ) あなたはどのタイプ?

前回、「 心 」の状態が穏やかであると、

「 本当の自分 」 が見えやすいという
湖を使ったメタファーをご紹介いたしました。( 参照 
)
 
同じ湖でも、日によって、
荒れている、水が濁っている、

水温が高い、など様々に変化します。

 

また、湖によって、濁りやすい湖、
すごく澄んでいる湖など、
湖 固有の性質もあるでしょう。
 
私たちの心も、
日によって状態が違ったり、
人それぞれで、性質が違ったり。
きょうは「 ココロ 」の性質・状態について触れていきます。

① ポーズ名あれこれ

② 心・思考・自分 | 湖のメタファー
③ 心の3つの性質   ←本日
 

心にも性質がある

 

突然ですが、みなさんの周りには、
食べても太りにくい人、
太りやすい人、
筋肉質な人、
いっぱいトレーニングしても
筋肉のつきにくい人、

様々な体質の人がいるのではないでしょうか?

同じように、

怒りっぽい人、前向きな人、
明るい人、
心配性な人、
暗い人、穏やかな人、

様々な性格の人がいるでしょう。

身体の性質を体質
心の性質を気質と言います。

 
なんとなく分かりますね。
 
 
では、自分がどういう体質でどういう気質
客観的に分析したことはありますか?
 
あまり細かく分類すると、
複雑すぎて、わからなくなってしまうので、
3つほどのグループに分けて考えていただくと、
わかりやすいでしょう。
( 今回は、「 ココロ 」がテーマ、気質に絞ってお話を進めますね。)
 
その3つのグループは、
・アクティブな心
・ボーっとした心
・すっきりクリアな心
となっています。
 
これは、インドに伝わる医学 ( アーユルヴェーダ )に由来した考えかたで、
そのあたりに注目してお話を続けます。
 

 

インドに伝わる長寿の医学

インドには、
アーユルヴェーダ ( インド医学 )という古くから伝わる
伝統医学があります。
 
アーユルヴェーダという言葉も、
ヨガ用語と同じように
インドの古語、サンスクリット語です。
 

日本でもエステや美容業界などで広まっていますが、
聞き馴染みはあっても
実際の意味は、少し曖昧ではないでしょうか。

前回、Urdhva Muka Svasana ( 上を向いた犬のポーズ ) の時と同じように

一語ずつ分けるとわかりやすいですよ。ayu : LIFE・LONGEVITY / 生命・長寿・長生き
veda : SCIENCE・SACRED KNOWLEDGE / 科学・知識

 
シンプルに
「 古くから伝わる長生きのための知恵 」
ということです。
古くから伝わる知恵・知識、という点で
ヨガと共通していますね。
 

 

心の気質は3タイプ

 
では、インドに伝わるアーユルヴェーダでは、

どのように心を3つの性質に分けているのでしょうか。

1つ目は、心の活動がアクティブで、落ち着きのない状態のラジャス

2つ目は、気力のないボーっとした状態のタマス

3つ目は、すっきりとクリアな状態のサットヴァ

つまり、怒りっぽい人というのは、

1つ目のラジャスな状態の傾向が強く出やすいタイプの人
また、活力が湧かないときというのは、

2つ目のタマスな状態が強く出ている状態になります。

 

3つ目のサットヴァな状態に到達するというのは
とても難しく、
その状態を保つのにも
かなりの強さとパワーを必要とします。
逆に心というのは、
攻撃的( ラジャス ) だったり、レイジーな状態タマス )
自ら巻き込まれていくのが
大得意という性質があります。
 
混んでいる電車の中で、
お互いに押し合いになっているのは、ラジャス
お正月セールでわぁっと人が
商品に殺到するのも
ラジャス
テレビをボーッと見たり、たくさん寝たりというのは、
タマスな状態ですね。
 
心のコントロールが難しいのには、

心のそういった性質も関係していると考えます。

 

 
 

 

サットヴァは、瞑想するのに理想的な心の状態

 
日々忙しく過ごし、
疲れが溜まったり、ストレスを抱えていると、
心を穏やかにしたいと思っても、
なかなか難しいものです。
 
ですが、もしみなさんがヨガをしたことがあったら、
ヨガの後
心が何だか落ち着いたように感じた経験はありませんか?
その状態こそが、サットヴァな状態です。
 
また、サットヴァな状態こそが、
八支則( アシュタンガ )で学んでいただいた、
瞑想のための心の理想的な状態です。
 

 

心の湖、深く潜るには

」の状態が、天気によって変わるように、
私たちの「 」も何かあれば、
怒ったり、悲しんだり、
表面に「 感情 」の波が起こります。
 
怒って攻撃的になること、
何か失敗があれば落ち込み元気が出ないこと、
嬉しくて浮かれてしまうこと、
誰もがいろいろあります。
 
 
また、 湖の底には常に静けさと穏やかさがあるように、
私たちも、表面的に心が乱れることはあっても
心の深い場所には、
本来の穏やかさが変わらずにあるのです。
 
 
ヨガは、感情を無くし、
能面のような顔をして生きるということではなく、

もともとわたしたちの内側にある
1番 穏やかで静かな場所へ、
連れ戻してくれる
心のガイドのような存在です。
 
深い湖の底へ潜っていくように、
意識を、心の深いところまで潜らせるには
呼吸とポーズにしっかりと集中し、
感覚器官のはたらきをコントロールしていくこと制感 )
キーとなります。
このあたりはまた
また次回に続けたいと思います。