②八支則について – 調和の心を育てる

さあ、ヨガの基本原理、
「八支則」の2回目です。

日本語では、「八支則」(はっしそく)と言いますが、
インドのサンスクリット語では、
アシュタンガ / Ashtanga
英語では、Eight Limbs of YOGA と言います。

・8つのステップになっている
・8つ目に悟りがある

という点を前回のブログで確認していただきました。

本日は、1から8までの大枠をつかんでいきましょう。

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1番目にくるのは、
ヤマ / YAMA / 禁戒 = やってはいけないことです。
ヤマには5つのやってはいけないことが掲げられています。/ The Five YAMAS of YOGA
例えば、ウソをついてはいけない( サティア / satya )、盗んではいけない( アステヤ / asteya)、暴力を振るわない ( アヒムサー / ahimsa )
などです。

ヨガの練習を続けるうちに
ベジタリアン( 菜食主義 )になる傾向が多いのは、
ヤマの1つ 不殺生 ( アヒムサー / ahimsa ) も理由の1つでしょう。

詳しくはまたヤマの回で見ていきましょう。

2番目にくるのは、
ニヤマ / NIYAMA / 勧戒 = すべきことです。
ニヤマにも、5つのすべきことが掲げられています。/ The Five NIYAMAS of YOGA
例えば、清潔にしましょう ( シャウチャ / shaucha )、あるもので満足しましょう ( サントーシャ / samtosha )
など。

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ヤマもニヤマも、
小学校の道徳の授業で習うようなこと。

八支則 ( アシュタンガ )の概念は、
日常の行動や物事の考えかたなどについて意識をするところから始まっています。

ポーズをとることだけがヨガではない
と前回お話ししました。

たくさん練習をすると
身体が柔らかくなったり、難しいポーズがとれるようになるかもしれません。
でも大事なのは、実はポーズの習熟度や見た目ん美しさではなくて、
「 調和の心を育むこと 」

ヨガの目的は「悟り」に達すること。
日本語だと、解脱・無執着
インドのサンスクリット語だと、
MOKSHA / モクシャ、
JIVAMKTHI / ジヴァムクティ
なんて言ったりしますが、
これはかなり気が遠くなるお話。
( ちなみ英語だと、Buddhist enlightenment / 仏教的な開眼 なんて言いかたになります。)

「 調和の心を育むこと 」は、
悟りより、もっともっと
何百段階も手前にある
もっとも取り組みやすいヨガの目的だと捉えていただけます。

ヨガのレッスンを受け続けたり、
自分でヨガを続けると、
心がなんだか優しくなって、
ヤマやニヤマの教え、
清潔にしなさい。贅沢はしない。自分にも人にも暴力を振るわない。
という当たり前のことが
当たり前のようにできるようになります。

そういう心のあり方が、
1つ目と2つ目のステップ。

「八支則」のヤマとニヤマから、
ヨガはポーズが上手にとれることだけじゃないですよ。
ということがなんとなくみなさんに伝わったらいいなと思います。

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そうは言ってもとても大事な
「八支則」の3つ目ポーズと、4つ目呼吸についても見ていきましょう。

3番目のアーサナ / ASANA / ポーズ ( = ポーズ・瞑想をするための座った姿勢 )と、
4番目のプラーナヤーマ / PRANAYAMA / 呼吸

この2つは、
60分なら60分のヨガのレッスンの時間をかけて、
わたしたちが主に行っていることです。

わたしたちは、ヨガのレッスンを受けるときに、
ポーズをとりながら、胸が開く心地よさや、
片足で立つ難しさ、またハムストリングスが硬いことなど、
身体のありとあらゆる部分に意識を向けてます。

その時、常に呼吸を続けることが大事ですね。
呼吸をすることで、全身にエネルギーが流れるのを感じられるし、
呼吸とともに肋骨が動いたり、
吐く息の腹圧で内臓をマッサージするような感覚も得られます。

日常、パソコンをしながら、
みなさんは 胸や脚、肋骨やお腹のことを考えていますか?
( せいぜいお腹が減ったな。。くらい^ ^?)

ヨガの時間は
「 ご自身の身体に意識を向ける時間 」
当たり前のようにアナウンスされるこの言葉の意味を、
より深いところまで理解し、意識をすると、
マットの上での集中が深まるのです。

マットの上でポーズをとる : 足・腕・胸・背中、全身を感じる。
呼吸は常に行われている : より深く観察すると肋骨が動いたり、内臓の感覚まで意識ができるようになる。

みなさんの意識は、「 いま 」 この瞬間に向いている

3のポーズと4の呼吸はセット。

前半でもお伝えしたようにポーズが上手にとれることは
必ずしも重要ではありません。

でも、このポーズができるようになりたい、と目標を持ち
練習を頑張ることは、大事ですし、集中も高まります。

私が個人的に思うことは、
超人的なヨガのポーズがとれる人は、
基本的に心も穏やかです。
それは、その厳しい練習の過程で、
自然と調和の心も育まれているからのでしょう。

( 逆に例えば、体操選手がヨガのポーズをとってみて、
それが完璧だったとしても、それはただの美しいポーズに過ぎず、
「 ヨガ 」の根幹である、「 気づき 」が抜けているはずです。
「 気づき 」はみなさんが通る「 過程 」にあるからです。
ヨガは過程が大事。 )

ポーズや呼吸にきちんと取り組むことで、
必ず調和の心を育んでくれる。

そう思うとヨガって本当にすごい!

今日はこのあたりまでにし、
また次の回に「八支則 / アシュタンガ 」の後半、
5〜8までを見ていきましょう!

Shanti om, yoga for the ATHELTE