【 迷走神経ワークショップ ④ 】脳の3層構造
今回は「 脳の3層構造 」についてお話をします。
4月29日(祝・木) オンラインワークショップ・2時間の内容になりますので、WSの予習にしていただけましたら幸いです。
ご予約はこちら。
「 迷走神経ワークショップ 」
ポリヴェーガル理論と3つのグナ
- 姿勢とホルモンの関係
ヨガの効果と科学的根拠
- ポリヴェーガル理論とは
多重迷走神経について
迷走神経の4つの特徴
- 自立神経について
交感神経と副交感神経
あたらしい概念
- 今回の記事
脳の構造
前頭前野・大脳辺縁系・脳幹
脳は3層構造
- 3つのグナ
サットヴァ・ラジャス・タマス
3つの質について
自律神経とマインドのつながり
脳の構造
脳のハンドモデル
脳の構造をシンプルに捉えようとしたとき、ダン・シーゲル博士(Dr. Dan Siegel)の考えたハンドモデルが役立ちます。
手でぐー ( 親指 ) を作ったときに、一番外側にくる4本の指が、大脳皮質、内側にはいった親指が大脳辺縁系、そして、手首が脳幹です。
脳の3層構造
脳の一番外側にあるのが、考える・判断する・評価するといった知的活動を行う前頭前野(ぜんとうぜんや)、
脳の真ん中に位置するのが、感情の中枢である大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)、
そして、脳を支える柱のような脳幹(のうかん)が、呼吸や心拍、睡眠、体温調節など、生命維持に関わるはたらきを担っています。
前頭前野の役割
前頭前野は、脳の司令塔です。
未来の計画を立てたり、過去を評価するなど、知的な活動を行う「 認知脳 」しての役割を果たします。
意識してコントロールすることが可能です。
大脳辺縁系の役割
大脳基底核 のまわりを囲うような形の大脳辺縁系には、
記憶センターの海馬と、恐怖センサーの扁桃体があり、
好き・嫌いといった感情に影響をします。
無意識の領域で、コントロールが難しいです。
- 海馬 (かいば)
記憶センター
- 扁桃体(へんとうたい)
恐怖センサー
- 大脳基底核:学習・習慣
大脳皮質・視床・脳幹を結びつけている神経核のあつまり
- 間脳:視床・視床下部・下垂体
自律神経の中枢
脳幹の役割
脳幹は、脳と脊髄をつないでいます。
もっとも原始的な脳で、爬虫類のときからあると言われています。
鼓動や体温調節、睡眠など、生命維持に関わる活動を担う「 生存脳 」しての役割を果たし、
自分の意思でコントロールすることができません。
脳の進化の過程
脳の3層構造のうち、
もっとも新しいのが脳の指令塔である「 前頭前野 」、そして、もっとも古いのが生存脳としての「脳幹」です。
3つの自立神経と脳の共通点
脳に進化の過程があるように、前回お話した3つの自律神経にも、進化の過程があります。
- 腹側迷走神経
愛やつながりの反応
– コミュニケーション・思考をともなった反応
( 前頭前野の役割 )
- 交感神経
闘争か逃走の反応
– 感情をともなった反応
( 大脳辺縁系の役割 )
- 背側迷走神経
シャットダウン反応
– 呼吸の停止など生存に関わる反応
( 脳幹の役割 )
このように脳と神経には、
その進化のプロセスや、特徴にたくさんの共通点をみられる点が面白いところです。
次回はさらに、この脳の3層構造と3つの自律神経の共通点が、
ヨガ哲学「 3つのグナ・性質 」にも共通しているというお話をします。
<
迷走神経ワークショップのアーカイブ動画