⑥八支則について – ヨガの道はその人それぞれ。
ここまでヨガの基本原理、
「八支則」について進めてきましたが、
第6回目のきょうは、少し補足を行っていきます。
1回目 八支則の大枠を学ぶ。
2回目 ヤマ・ニヤマ ( 日常の行動や物事の考えかた )
3回目 アーサナ・プラーナヤーマ ( スタジオで行うポーズと呼吸 )
4回目 プラティヤハーラ ( 心と体をつなぐステップ )
5回目 ダーラナー ( 心を一か所にとどめる。)
5回目 ダーラナー ( 心を一か所にとどめる。)
6回目 補足 ←本日
呼吸・制感は呼吸の集中へと繋がっている
・(4)プラーナヤーマ / 呼吸のコントロール ( Prana プラーナ )
・(5)プラティヤハーラ / 感覚のコントロール ( Indriyas インドリヤ )
・(6)ダーラナー / 心の集中
ヨガの練習中、
プラーナヤーマで、呼吸を行っている時も、
プラティヤハーラで、手や足の感覚へ深く意識を向けている時も、
心を何か1つの対象にとどめようと心がけてください。
そうすることで自然と
心が集中し、ダーラナへと繋がっていくでしょう。
どこからスタートしても良い八支則
このように、八支則は、
1つ1つが密接に関連しあっていますが、
実はどこからスタートしても構わない。
「 1つ1つが異なる出発点 」になっていると捉えます。
1から8までのステップになっているので、
1からスタートして、次は2、3…
と進んでいくように思うと思いますが、
実は、必ず1からスタートしなくてはいけないというわけではありません。
多くのかたが、
3のポーズからヨガを経験され、
続けるうちに、だんだんと1(ヤマ = やってはいけないこと)や、
2(ニヤマ = 心がけるべきこと ) など
2(ニヤマ = 心がけるべきこと ) など
心のありかたまで意識されるようになる
という流れだろうと思います。
という流れだろうと思います。
1〜4までは、同時進行、
1つのステップが完全でなくても、
それぞれの段階を深めていくことができます。
そして、次回以降、
また詳しく取り上げていきますが、
6〜8の段階は、
それぞれがはっきりと区別できず、
3つまとめて、サンヤマ (統制) という言い方もされます。
集中しているって、心がどういう状態?
ダーラナ( = 集中している )の時、
心にはたった1つの思考( vritti )のみが存在。
ただ1つの課題のみに取り組み、
他の工程は、すべて宙ぶらりんでストップした状態となります。
vritti (ヴリッティ) / vrittis
: 心のすべての活動のことを言います。
渦巻き( 英 : whirlpool )という意味もあり、意識がくるくると渦を巻いているイメージ
渦巻き( 英 : whirlpool )という意味もあり、意識がくるくると渦を巻いているイメージ
さぁ、よく分からないヴリッティという
専門的な言葉も出てきて、
難しく感じるかもしれませんが、
思考 ( vritti ) ・心 ( chitta )の概念について整理することは
この先ヨガ哲学のお話を進めていく上で、
この先ヨガ哲学のお話を進めていく上で、
とても重要なのです。
ちょっとだけヨガスートラについて
“Yogas citta vrtti nirodhah.”
– ヨガチッタニローダ –
– ヨガチッタニローダ –
(英) Controlling the Activities of the mind.
(日) ヨガは心の活動をストップすること
ヨガの根本教典であるヨガスートラの
(日) ヨガは心の活動をストップすること
ヨガの根本教典であるヨガスートラの
一章二節。
スートラの中でもっとも有名なフレーズで、
ヨガの定義付けがされています。
ヨガとは何か、その根本定義を知るためにも、
心 ( chitta )と思考 ( vritti )についての理解が不可欠なわけです。
ちょっとだけ10の感覚器官について / インドリヤ
本日の最初の部分
・(5)プラティヤハーラ / 感覚のコントロール
でさらっと触れた専門用語、
Indrya インドリヤ | 10の感覚器官 についても触れますね。
インドリヤとは、人間の持つ10の感覚器官のことで、
インプット機能を持つ5つと、
アウトプット機能を持つ5つに分けられます。
ここで伝統的なヨガ哲学からインドリアを理解するための比喩をご紹介します。
人間の体は、10の扉を持った建物である。
5つは入り口、5つは出口。
5つの入り口
【 知覚器官 】Jnanendriyas | ジュナーネンドリヤ
– 5 cognitive senses : 認知するための感覚器官
( 五感 : 嗅覚・味覚・視覚・聴覚・触覚 )
– 5 cognitive senses : 認知するための感覚器官
( 五感 : 嗅覚・味覚・視覚・聴覚・触覚 )
5つの出口
【 行為器官】Karmendriyas | カルメンドリヤ
– 5 active expressions : 表現するための行動器官
( 五作根 : 歩く・つかむ・発声・生殖・排泄 )
( 五作根 : 歩く・つかむ・発声・生殖・排泄 )
eliminating, reproducing, moving, speaking, grasping
日常の中で10の器官を観察すること
プラティヤハーラは、
感覚を制御することですが、
感覚を制御することですが、
10の器官(インドリヤ)が日常でどのようにはたらくか観察することが、
ヨガや瞑想の取り組みで、
とても重要な要素なのです。
( ポーズを綺麗にとることよりも!)
瞑想やマインドフルネスなどで、
日頃から、この10の器官の観察を習慣づけることで、
内側への気づきが多くなります。
そうするうちに、10の器官(インドリヤ)を介した
外側の世界と、内側の世界の関わり合いの仕組みが
よく分かるようになってくるのです。
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さぁ、どうでしょうか。
1回読んで、理解するには
ヨガ哲学は奥が深く難しいですが、
ヨガを続けられているかたにとって
学ぶのに、とても面白い分野だと思います。
( ✳︎ ヨガ哲学は、すべての啓蒙思想や心理学にも通じています。)
ここまでくると、
かなりの「八支則」そして、「 ヨガ哲学 」マニアですね。
おつかれさまでした!
学ぶというのは常に能動的なプロセス
デール・カーネギー氏
では、また次回!
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